Japanese
English
研究と報告
人工股関節全置換術後の生活空間に関連する因子
Factors influencing the life space in patients with total hip arthroplasty
和田 治
1
,
飛山 義憲
2
,
川添 大樹
1
,
八木橋 健
1
,
中北 智士
1
,
永井 宏達
3
Osamu Wada
1
,
Yoshinori Hiyama
2
,
Daiki Kawazoe
1
,
Takeru Yagihashi
1
,
Satoshi Nakakita
1
,
Koutatsu Nagai
3
1あんしん病院
2東京工科大学医療保健学部理学療法学科
3兵庫医療大学リハビリテーション学部理学療法学科
1Anshin Hospital
2Department of Physical Therapy, School of Health Sciences, Tokyo University of Technology
3Department of Physical Therapy, Faculty of Rehabilitation, Hyogo University of Health Sciences
キーワード:
人工股関節全置換術
,
生活空間
,
歩行に対する自信
Keyword:
人工股関節全置換術
,
生活空間
,
歩行に対する自信
pp.643-649
発行日 2017年6月10日
Published Date 2017/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200996
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要旨 【目的】人工股関節全置換術(total hip arthroplasty;THA)後の生活空間に影響する因子を明らかにすることを目的とした.【方法】対象は女性THA患者35名とした.評価時期は,術後3か月および6か月とした.生活空間の指標にはLife Space Assessment(LSA)を用い,その他の評価項目は年齢,Body Mass Index(BMI),疼痛,膝伸展筋力,股外転筋力,歩行速度,Timed Up & Go test(TUG)遂行時間,Harris Hip Score(HHS),modified Gait Efficacy Scale(mGES),脱臼不安感とした.各時期において,LSAを従属変数とし,その他の項目を独立変数とした重回帰分析を行った.【結果】術後3か月ではLSAに影響を与える因子としてmGES,年齢,歩行速度が,術後6か月ではmGESおよび年齢が抽出された.【考察】本研究結果より,THA術後の生活空間は歩行に関する自己効力感や年齢,移動能力が影響し,脱臼不安感や個別の筋力は関連しないことが明らかとなった.したがって,THA術後患者の生活空間を拡大するためには筋力トレーニングや関節機能に対するアプローチだけでは不十分であり,歩行に対する自己効力感への介入も必要であると考えられる.
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