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実践講座 リハビリテーションにおける医療安全管理・4
医療事故調査制度
System for investigating accidental death in medicine
後 信
1
Shin Ushiro
1
1九州大学病院医療安全管理部
1Devision of Patient Safety, Kyshu University Hospital
キーワード:
医療事故
,
再発防止
Keyword:
医療事故
,
再発防止
pp.343-349
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200916
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はじめに
医療事故調査制度の開始より1年が経過して,実際に稼働している制度の現実の姿が明らかになってきた.具体的には,制度開始前から国が示してきた報告件数の試算や仕組みの説明に対し,現実に報告された件数や,行われてきた院内事故調査やセンター調査の件数などの運営の実態が明らかになってきた.最近では,特に医療事故発生の報告の判断の標準化が不十分であることや,報告件数が少ないことが指摘されている.
2016年6月には,医療法の附則に基づき,中央レベルと地方レベルに支援団体連絡協議会を制度的に位置づけることや,管理者は院内で発生する死亡事例を遺漏なく把握できる体制を確保することなどの見直しが行われ,同協議会では医療事故の判断の一層の標準化が期待されている.
本稿では,医療事故調査制度に関し,筆者が所属する九州大学病院(以下,当院)における医療事故の判断の経験や,医療事故調査制度のいわゆる支援団体である公益財団法人日本医療機能評価機構の担当者として制度の説明を行った際の医療判断に関する議論などの経験に基づき,特に医療事故の判断や報告の仕組み,現状および課題について述べる.
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