書評
近藤克則 著「健康格差社会への処方箋」
五十嵐 隆
1
1国立成育医療研究センター
pp.342
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200915
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人は生まれながらにして不平等である.遺伝的要因は,社会・環境的要因など(本書での記述に従えば「生まれ」は「育ち」,p38)を通して,人の生き方に大きな影響を与える.その結果,人の健康や寿命にも大きな格差を生み出す.
現在盛んに行われているライフコース・アプローチ的研究により,遺伝,周産期,小児期の生物学的・社会経済的因子が成人になってからの人の健康状態や疾病の発症に影響を及ぼすことを示す証拠が続々と明らかにされている.最も有名なライフコース・アプローチ的研究は,成人病(生活習慣病)胎児期発症説(Barker説)であろう.
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