Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 【目的】「がん患者リハビリテーション料」が算定された患者の背景やリハビリテーションの実施状況,在院日数およびアウトカムを記述し,施設ごとのリハビリテーション・スタッフ数との関連を分析すること.【対象】厚生労働科学研究diagnosis procedure combination(DPC)データ調査研究班のDPCデータベースを用い,2011年4月から2014年3月までに「がん患者リハビリテーション料」が算定されたがん患者延べ46,549人を対象とした.対象患者を施設ごとの100床あたりのリハビリテーション・スタッフ数が少ない群(2.4人以下),中間群(2.5〜4.1人),多い群(4.2人以上)でほぼ3等分にした.患者数はそれぞれ15,596人,15,850人,15,103人であった.【方法】年齢,性別,併存疾患指数,Barthel Index(BI),がんの部位,がん治療の種類,リハビリテーション実施状況,在院日数,在院死亡率,BI維持改善率を集計し,100床あたりのリハビリテーション・スタッフ数との関連を分析した.【結果】リハビリテーション・スタッフ数が多い群ほど,75歳以上の患者や非積極的治療の患者の割合が高く,入院日からリハビリテーション開始までの日数および在院日数が短く,BI維持改善率は高かった.手術例12,083件のなかでは,リハビリテーション・スタッフ数の多い群ほど術前リハビリテーションの実施割合が有意に高かった.死亡例7,409例のなかでは,リハビリテーション・スタッフ数の多い群ほどリハビリテーション終了から死亡までの日数が有意に短かった.【結論】リハビリテーション・スタッフ数が多い施設ほど,より早期のリハビリテーション開始,より多くの高齢がん患者や非積極的治療例,死亡例に対するリハビリテーションの提供,より良好なアウトカムを実現している可能性が示唆された.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.