連載 身体障害者診断書Q&A
外傷性脊髄損傷による不全麻痺の診断書
池田 篤志
1
,
古澤 一成
1
1吉備高原医療リハビリテーションセンターリハビリテーション科
キーワード:
外傷性脊髄損傷
,
不全麻痺
,
身体障害者診断書
,
再認定
Keyword:
外傷性脊髄損傷
,
不全麻痺
,
身体障害者診断書
,
再認定
pp.965-967
発行日 2015年10月10日
Published Date 2015/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200394
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Q1 受傷からどの程度経過をみてから診断すべきですか.また再認定は行うべきですか.
A1 全国脊髄損傷データベースによると,入院時American Spinal Injury Association Impairment Scacle(AIS)Aの1.3%,Bの18.8%,Cの53.4%が,退院時にAIS Dまで回復がみられています(表1)1).また,US Model Spinal Cord Injury Systemによると,初期にAIS Aであった者の11%が退院時に,15%が1年後に改善を認めています.さらに,初期にAIS Bであった症例においては,退院時と1年後にそれぞれ58%,80%の者が改善し,そのうち33%はAIS Dまでに至っています.AIS Cに関しては,退院時と1年後にそれぞれ57%,75%が改善し,67%がAIS Dに至ったと報告しています2).しかし,これらのデータには脊髄ショックや脊髄の圧迫・浮腫などの影響もある,超急性期および,全国脊髄損傷データベースに関しては,入院時に発症180日を超えたものまで含まれています.そこで,2010年4月1日〜2013年3月31日の4年間に,当センターに外傷性脊髄損傷で受傷から180日以内に初回リハビリテーション目的で入院した症例(n=108)を,四肢麻痺と対麻痺,骨傷あり群となし群に分け,入院時と退院時のAISを調べてみた.結果を表2に示します.
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