Japanese
English
症例報告
新聞記者として職業復帰したウェルニッケ失語患者の経過報告
A report of a patient with Wernicke's aphasia who recovered and returned to his premorbid job of a journalist
渡部 宏幸
1,2
,
古木 ひとみ
1
,
原 寛美
3
Hiroyuki Watanabe
1,2
,
Hitomi Furuki
1
,
Hiroyoshi Hara
3
1相澤病院リハビリテーションセンターST部門
2東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学分野
3相澤病院リハビリテーション科
1Department of Speech Therapy, Rehabilitation Center, Aizawa Hospital
2Department of Behavioral Neurology and Cognitive Neuroscience, Tohoku University Graduate School of Medicine
3Department of Rehabilitation, Rehabilitation Center, Aizawa Hospital
キーワード:
ウェルニッケ失語
,
言語聴覚療法
,
職業復帰
,
代償手段
,
包括的支援
Keyword:
ウェルニッケ失語
,
言語聴覚療法
,
職業復帰
,
代償手段
,
包括的支援
pp.667-670
発行日 2015年7月10日
Published Date 2015/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200302
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はじめに
就労年齢にある失語症者にとって,職業復帰は社会参加の最も大きな目標であり1),臨床現場で失語症者の支援に携わる言語聴覚士(speech therapist;ST)にとっても重要なテーマの1つである.失語症者は就労時に対人関係のうえで障壁が大きく,国内の復帰率は5%前後ときわめて低い2).本邦において失語症者の職業復帰に関する研究では,失語症者全体に対する復帰率を示した報告はされているが2),職業復帰までの実際の経過や支援に関する報告は少ない.今回われわれは,血行再建術の過灌流後のウェルニッケ失語に対し,早期から言語聴覚療法を施行し病前の新聞記者に復帰した症例を経験した.この症例の経過と職業復帰が可能となった要因について報告,考察する.
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