Japanese
English
症例報告
頸髄髄内腫瘍摘出術後の重度不全上肢麻痺に課題指向型訓練と随意筋電制御電気刺激の併用を試みた1例
Task oriented training with integrated volitional control electrical stimulation for severe upper extremity paresis after cervical intramedullary tumor lumpectomy:a case report
岩崎 聖
1
,
藤本 修平
1,2
,
補永 薫
1
,
近藤 国嗣
1
,
大高 洋平
1,3
Sho Iwasaki
1
,
Shuhei Fujimoto
1,2
,
Kaoru Honaga
1
,
Kunitsugu Kondo
1
,
Yohei Otaka
1,3
1医療法人社団保健会東京湾岸リハビリテーション病院
2京都大学大学院医学研究科
3慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Tokyo Bay Rehabilitation Hospital
2Kyoto University Graduate School of Medicine
3Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
上肢機能障害
,
末梢電気刺激
,
脊髄疾患
Keyword:
上肢機能障害
,
末梢電気刺激
,
脊髄疾患
pp.661-665
発行日 2015年7月10日
Published Date 2015/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200300
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はじめに
頸髄髄内腫瘍は,腫瘍の発生部位によりさまざまな身体機能障害を引き起こす.しかし,高位頸髄損傷の重度麻痺例においては十分なリハビリテーション効果が得られないこともしばしば経験する.
疾患にかかわらず上肢機能障害に対する代表的な作業療法として,課題指向型訓練(task oriented training;TOT)がある.脳卒中などの中枢神経疾患では,TOTに加えて治療的電気刺激を併用することで,大脳皮質運動野の興奮性増大1)や運動・感覚機能の向上2)により,動作学習の効率性が改善すると報告されている3-5).しかし,脳損傷による片麻痺とは麻痺の特徴が異なることも多い脊髄疾患における試みは少なく6),電気刺激療法の長期的な併用効果も不明である.
今回,日常生活で長時間の装着が可能である随意筋電制御電気刺激装置(integrated volitional control electrical stimulator;IVES)7)を用い,TOTにIVESを併用することで良好な経過を経た脊髄腫瘍術後の重度四肢麻痺の症例を経験したので報告する.
なお,本報告にあたり,本人に十分な説明を行い,書面による同意を得た.
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