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特集 透析患者のリハビリテーション—運動制限から運動療法へ
診療ガイドライン
Guideline of renal rehabilitation
武居 光雄
1,2
Mitsuo Takei
1,2
1諏訪の杜病院
2愛知医科大学医学教育センター
1Suwanomori Hospital
キーワード:
廃用症候群
,
運動療法
,
運動習慣
Keyword:
廃用症候群
,
運動療法
,
運動習慣
pp.423-431
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200230
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はじめに
現時点で,正式には『腎臓リハビリテーションに関する診療ガイドライン』は制定されていない.このため,多少,私案という意味合いが入るがご了承いただきたい.歴史的推移,文献的考察,今までの経験などを総合してまとめたい.
高齢透析患者のみならず,すべての透析患者に共通して言えることは加齢による生理的機能低下に,さまざまな併発症・合併症や多くは動かないことに起因する廃用症候群(表1)が加わり,相乗効果以上の機能低下を認めていることである.これは身体機能のみならず,認知機能にも当てはまる.一刻も早くこのような状況から脱却せねばならない.そのために,最近『包括的腎臓リハビリテーション』という概念が導入された.『包括的腎臓リハビリテーション』とは,腎臓機能障害者に対して,運動療法,食事療法と水分管理,薬物療法,教育,精神・心理的サポートなどを包括的に,かつ長期にわたり行う新たな内部障害リハビリテーションであると定義されている1).歴史的には1994年にLife Options Rehabilitation Advisory Council(LORAC)がencouragement,education,exercise,employment,evaluationにまとめたものが最初といわれている2).
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