Japanese
English
紹介
肘関節屈曲の作用を活かした独自の方法により自動車移乗を獲得した頸髄損傷者の1例
An original way to utilize elbow flexor muscles to acquire transfer between wheelchair and car in a patient with cervical spinal cord injury.
安岡 良訓
1
,
坪井 宏幸
1
Yoshinori Yasuoka
1
,
Hiroyuki Tsuboi
1
1社会医療法人黎明会北出病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Kitade Hospital
キーワード:
頸髄損傷
,
移乗
,
自動車
,
代償動作
,
環境調整
Keyword:
頸髄損傷
,
移乗
,
自動車
,
代償動作
,
環境調整
pp.65-68
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200115
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はじめに
脊髄損傷者にとって自動車運転の自立は社会参加を促し,就業率や生活の満足度を向上させる1-3).自動車運転を自立するうえで重要となる動作の1つが車椅子-運転席間の移乗であり,高位損傷レベルであるほど難度が高くなり,それに応じた自動車移乗の方法が脊髄損傷者のリハビリテーションに関する書籍で提示されている4,5).さらに,木村らは頸髄損傷者における自動車移乗の達成率について,Zancolliの分類でC6B2レベルでは75.0%,C6B1レベルでは38.5%であったと報告しており6),C6B1レベルで移乗達成率が低くなり,同じ損傷レベルであっても身体能力や体型が動作の獲得に影響することが伺える.今回,C6B1レベルの頸髄損傷者において,自動車への移乗が一般的に推奨されている方法では困難であったが,残存機能を活用できるような器具を独自に作製したことで自立に至った症例を経験したので,その工夫を踏まえて報告する.
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