Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「シンプル・シモン」—アスペルガー症候群の実相と可能性をラブコメディとして紡ぎだす
二通 論
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.1199
発行日 2014年12月10日
Published Date 2014/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200089
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2012年12月に報じられた文部科学省による調査によれば,公立小中学校の通常の学級で学ぶ児童生徒の6.5%に発達障害の可能性がある.2002年調査は6.3%であり,0.2ポイント上昇したことになる.2012年調査の学年別集計では中3:3.2%,中1:4.8%,小6:6.3%,小3:7.5%,小1:9.8%と低学年期のおける顕在化が著しい.いずれにしても,この10余年の発達障害児堂生徒の在籍率は6%強(60万人超)で推移し,かつ増加傾向は否めない.
発達障害は学習障害,注意欠陥多動性障害(ADHD),自閉症スペクトラム障害に大別されるが,昨今,自閉症スペクトラムに属するアスペルガー症候群(AS)系人物にスポットを当てた映画が目立つ.邦画では「舟を編む」,「箱入り息子の恋」,アメリカ映画では「ものすごくうるさくて,ありえないほど近い」,さらに岡田尊司『アスペルガー症候群』(幻冬舎新書)の所論に倣うなら「ヒッチコック」にまで拡張できる.
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