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実践講座 頭部外傷後の高次脳機能障害の薬物療法・第1回【新連載】
総説と器質性人格障害の薬物療法
Pharmacotherapy for higher brain dysfunction:1. review and organic personality disorder.
堀川 直史
1
Naoshi Horikawa
1
1埼玉医科大学総合医療センターメンタルクリニック
1Department of Psychiatry, Saitama Medical Center, Saitama Medical University
キーワード:
頭部外傷
,
高次脳機能障害
,
器質性人格障害
,
薬物療法
,
リエゾン精神医学
Keyword:
頭部外傷
,
高次脳機能障害
,
器質性人格障害
,
薬物療法
,
リエゾン精神医学
pp.943-947
発行日 2013年10月10日
Published Date 2013/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110273
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はじめに
頭部外傷後には,しばしば認知,心理,行動などの変化が生じる.これらの症状は,特に外傷が比較的軽度であったときに,外傷との関係が見逃されてしまうことや周囲の人たちに外傷後の症状であることが理解されないことがある.こうした事態は,最近「高次脳機能障害」に対する社会的関心が高まったことなどのために,かつてに比べれば少なくなったが,今も深刻な問題であることに変わりはない.またこれとは反対に,同様に高次脳機能障害に対する社会的関心の高まりに伴って,頭部外傷とほとんど関係のない症状を高次脳機能障害であると考える患者が増加し,高次脳機能障害という医師の診断がやや過剰になっていると思われる場合もある.このように高次脳機能障害は,医学的にばかりではなく,社会的にも重要な問題である.本稿は3回の連載の予定であるが,今回は第1回であり,高次脳機能障害をどのように理解するか,および主な精神症状とそれに関係する因子などを述べ,これらの症状のなかで,器質性人格障害の薬物療法について現在の知見を述べる.
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