連載 障害者スポーツ
障害者スポーツにより誘導されるmyokine
梅本 安則
1
,
田島 文博
2,3
1那智勝浦町立温泉病院内科
2和歌山県立医科大学スポーツ・温泉医学研究所
3和歌山県立医科大学リハビリテーション医学講座
キーワード:
IL-6
,
exercise
,
酸化LDL
Keyword:
IL-6
,
exercise
,
酸化LDL
pp.195-197
発行日 2013年2月10日
Published Date 2013/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110031
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マイオカイン(myokine)
健常者にとってスポーツは生活の質(quality of life;QOL)を高め,健康を維持増進するのに推奨されている.疾患の急性期を過ぎ,社会復帰した障害者にとっても,スポーツは障害の増悪予防・健康維持の面から健常者以上に必要不可欠なものとされている.健常者においては,スポーツによる運動が,動脈硬化症を基礎とした心血管系疾患の発症率,死亡率が低下すること1)はよく知られている事実である.しかし,運動負荷自体が動脈硬化を伸展させる糖代謝異常や脂質代謝異常にどのような機序で影響を与えるかは長年分かっておらず,このような健康増進機序を励起する化学的・物理的シグナルはexercise factorとして,研究されてきた.
近年,exercise factorの一つとして,運動により骨格筋からサイトカインが分泌されることが明らかとなり,それらはmyokineと名付けられた2).今回,myokineの代表であるインターロイキン(Interleukin;IL)-6を中心に障害者スポーツにおける重要性について論じたい.
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