今月の主題 動脈硬化とリポ蛋白
話題
新しい酸化低比重リポ蛋白レセプター―CD36
野﨑 秀一
1
,
松澤 佑次
1
Shuichi NOZAKI
1
,
Yuji MATSUZAWA
1
1大阪大学医学部第二内科
キーワード:
CD36
,
酸化LDL
,
スカベンジャーレセプター
Keyword:
CD36
,
酸化LDL
,
スカベンジャーレセプター
pp.1072-1074
発行日 1996年9月15日
Published Date 1996/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903024
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
動脈硬化の初期病変においては,酸化低比重リポ蛋白(LDL)などの変性LDLがマクロファージに取り込まれ,泡沫細胞が形成されると考えられている.その取り込みにおいては,Goldsteinら1)が指摘したスカベンジャーレセプターが関与していると考えられていたが,その本態は不明であった.1988年,Kodamaら2)はアセチルLDLをリガンドとしてスカベンジャーレセプタータイプI,タイプIIを見いだした.しかし,その後,児玉らのレセプター以外のスカベンジャーレセプターの存在も示唆されるようになった.最近,CD 36が,酸化LDLを結合するデータが報告され3),また,当研究室でのCD 36欠損マクロファージを用いた研究により4)CD 36の動脈硬化における生理的意義が次第に明らかになってきた.本総説ではこの2つのスカベンジャーレセプターのうち,CD 36を中心に解説する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.