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はじめに
当院は福島県の会津地域で唯一の新生児集中治療室(Neonatal intensive care unit;NICU)を有する総合病院であり,人口15万人の会津地域の新生児医療のほとんどを担っている.近年,新生児医療の進歩に伴い,低出生体重児(生下時体重2,500g以下の児)の予後が著しく改善されてきている1,5).当院においても生下時体重500g以上で大きな形成異常,何らかの症候群,早発型敗血症,多胎,子宮内発育遅延,在胎24週未満など重篤なリスクのない超低出生体重児(生下時体重1,000g未満の児)の生存率は100%に近い.当院では,平成9年より障害の早期発見,早期治療に努めてきた.低体重出生児の発達は一般に遅れると言われているが4),座位や独歩の早期の獲得は子供の生活の質を高め,親の精神的負担を含めた育児負担を軽減しうると思われる2).当院では低体重出生児の発達支援を目的として理学療法士(PT)が介入する.生下時体重1,500g未満で出生した児が対象であり,全身状態が落ち着いた段階で医師よりリハビリテーションの指示があり,NICUにて週1回の神経学的評価を行い,退院後も定期的に発達チェックを行っている.
低出生体重児のなかには,学童時期に学習面や行動面の問題を有する場合があるとの報告がある.1,3-5)しかし,乳幼児期の発達のプロセスに関する報告や体重との関連については十分検討されているとは言い難い.それらを明らかにすることは,学童期における行動面や学習面の障害を早期に発見し,予測する一助となるかも知れない.このような問題意識から,低出生体重児の歩行獲得までの粗大運動発達と知的発達の目安として,一語文の初発月齢についてまとめたので報告する.
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