今月の臨床 ここが問題─若年女性のやせ・肥満
若年女性のやせ・肥満と周産期異常
3.低出生体重児の長期予後
中野 有也
1
,
板橋 家頭夫
1
1昭和大学医学部小児科学教室
pp.1314-1317
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102464
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はじめに
近年,わが国における低出生体重児(2,500 g未満で出生した新生児)の割合は増加の一途をたどっている(図1)1).最近の統計によると,出生児の約1割が低出生体重児となっており,その割合は現在も増加傾向にある.これには,周産期医学の進歩により早産・低出生体重児の救命率が飛躍的に向上したことが少なからず影響しているが,妊孕世代女性のやせ願望やストレス,喫煙などの影響も危惧されている.本稿では,増え続ける低出生体重児の長期予後について,Barker仮説(胎児プログラミング仮説)の観点から,主にメタボリックシンドロームとの関係を中心に概説する.
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