特集 母乳トラブルの解決
低出生体重児と搾乳
鮎澤 幸枝
1
1諏訪マタニティークリニック
pp.474-477
発行日 1996年6月25日
Published Date 1996/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901491
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最近は早期直接授乳の大切さについて強調されるようになってきた。しかし,早産のため極小未熟児であったり,正期産であっても低体重児だったりと,必ずしも早期直接授乳が可能なケースばかりではない。もし,直接授乳ができなければ母乳分泌量を維持することは不可能なのであろうか。否,そのようなことはない。
乳汁分泌に関する条件をまとめてみると,表1に示す,アクセルとブレーキという考え方にたどり着く。この中のアクセルのa,b,cのうち,cの直接授乳(以下,直母)が絶対条件のように考えられやすい。しかし,児が保育器に収容されていたり,乳頭トラブルなどのため直母禁にされていたりする場合でも,私たちの施設では搾乳のみで十分乳汁分泌を維持できている。
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