Japanese
English
実践講座 職業リハビリテーションのトピックス
3.精神障害
The present condition and issues of vocational rehabilitation for the mentally disabled persons.
上田 英典
1
Hidenori Ueda
1
1日本障害者雇用促進協会障害者職業総合センター
1National Institute of Vocational Rehabilitation
キーワード:
就業・生活総合支援
,
ネットワーク支援
,
ジョブコーチ支援
,
多様な雇用・就労形態
Keyword:
就業・生活総合支援
,
ネットワーク支援
,
ジョブコーチ支援
,
多様な雇用・就労形態
pp.921-926
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109874
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はじめに
「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以下,「雇用促進法」と言う.)改正法案が平成14年4月に成立,5月に公布された.今回の法改正においては,精神障害者の雇用率算入の問題が注目されたが,精神障害者も雇用義務制度の対象とする方向で今後取り組むことが適当としながら,結論として次回改正時まで見送られた.①障害者本人の意志に反して雇用義務制度の対象とされることを防ぐためのプライバシーに配慮した把握・確認の方法の確立,②就職後に発病した企業内の精神障害者の実態把握,対応策の確立等の解決がまず必要,といったことが理由のようである.その一方で,この改正法では精神障害者の定義規定を設けることにより,精神障害者が雇用支援施策の対象であることを明記し,障害特性を踏まえた支援事業を充実させるなどの雇用促進を図ることとした.
このように職業リハビリテーションにおける精神障害者の雇用・就労支援は今日的な喫緊の取り組み課題とされ,矢継ぎ早の感はあるが,さまざまな支援策が積極的に講じられている.しかしながら,雇用義務制度の問題でも明らかなように,効果的,かつ障害者および社会のニーズに即した職業リハビリテーションの実施のためには,精神障害者の実態を的確に把握するとともに,その職業的課題や支援方策等が明らかにされることが必要である.ここでは雇用・就労支援の実務者の視点から,精神障害者の職業リハビリテーションの現状を整理・検討し,今後の職業リハビリテーションのあり方の考査の一助としたい.
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