Japanese
English
特集 慢性期脳卒中のリハビリテーション―現状と問題点
治療・ケアシステム
Treatment and care system in chronic stage of stroke.
山永 裕明
1
,
野尻 晋一
1
,
中西 亮二
1
,
渡邊 進
1
,
米満 弘之
1
Hiroaki Yamanaga
1
,
Shinichi Nojiri
1
,
Ryoji Nakanishi
1
,
Susumu Watanabe
1
,
Hiroyuki Yonemitsu
1
1熊本機能病院総合リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation, Kumamoto Kino Hospital
キーワード:
慢性期脳卒中
,
脳卒中診療体制
,
再発予防
,
介護保険制度
Keyword:
慢性期脳卒中
,
脳卒中診療体制
,
再発予防
,
介護保険制度
pp.783-791
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109845
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はじめに
現在,脳卒中は日本人の死亡原因の第3位である.また寝たきりを含む要介護者124万人のうち4割は脳卒中が原因とされている.当院の回復期リハビリテーション病棟を退院する時点で,脳卒中患者の6割が直接自宅へ,2割が介護老人保健施設等を経由して自宅へ,残りの2割は自宅へ帰ることができずに,終生,病院か施設で暮らすことになる.もし何の準備もなしに(急性期・回復期のリハビリテーションも受けることなく,維持期に介護保険制度も利用しないで)退院することになれば,恐らく5割も家庭復帰できないであろう.
脳卒中では,発症予防から,そして発症後は急性期,回復期の治療を終えてからの退院後の慢性期(維持期と同じ)における在宅や施設での生活,さらに再発予防まで配慮しなければならない.この点で,脳卒中は保健・医療・福祉の連携が必要な疾患と言える.
本稿では,慢性期脳卒中の再発予防,疾病治療,障害悪化予防などに関する治療・ケアシステムが制度的にどのような状況にあるか,どのように活用すれば良いのか,問題点は何かについて述べることにする.
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