Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「バニラ・スカイ」―トム・クルーズの映画的自傷行為か?
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.469
発行日 2002年5月10日
Published Date 2002/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109769
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顔面損傷というのは,1980年版障害モデルでいえば,機能障害が能力障害を飛び越えて社会的不利に直結するものらしい.モデルや俳優,そのほか顔を売り物にする人たちにとってはまさにそのとおりであろう.
「バニラ・スカイ」(監督/キャメロン・クロウ)は,以前本欄で取り上げたスペイン映画「オープン・ユア・アイズ」のリメイクである.顔面損傷という事態を受容できなかった男の話で,設定も展開もほとんど同じ.「オープン・ユア・アイズ」は98年の東京映画祭でグランプリを取ったとはいえ,当時の上映形態からして所詮はマイナー作品.ここはトム・クルーズがメジャー作品に押し上げようと一肌脱いで本作になったのだと思う.
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