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特集 リハビリテーション医学教育の新しいうねり
医学部卒後教育の流れ
Postgraduate education and its future direction.
落合 亮一
1
,
武田 純三
1
Ryoichi Ochiai
1
,
Junzo Takeda
1
1慶應義塾大学医学部麻酔学教室
1Department of Anesthesiology, School of Medicine, Keio University
キーワード:
卒後教育
,
前期臨床研修
Keyword:
卒後教育
,
前期臨床研修
pp.415-423
発行日 2002年5月10日
Published Date 2002/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109759
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はじめに
研修医が心筋梗塞で死亡した事件について,違法な長時間労働が原因,つまり労働基準法違反容疑として遺族が大学病院を起訴した事例が報道されたのは,昨年の4月のことであった.この事件に関連して,新聞をはじめとしたメディアが現在の研修医の置かれている労働条件や報酬に焦点を当てたことで,研修医の問題点が改めて脚光をあびることとなった.昭和43年に,戦後実施されていたいわゆるインターン制が廃止され,現在までに至る研修医制度が施行されたわけであるが,わが国の大きな変化に対応することを目的に,現在,新しい前期研修医制度が検討されつつある.平成13年の国会で,この新しい制度を平成16年より施行することが決まっており,現在,厚生労働省の医道審議会医師分科会医師臨床研修検討部会が具体的な内容を検討中である.今なお,実際に施行されるシステムについては協議されている段階であり,不明な点も多いが,本稿では新しい制度が導入されるに至った理由,基本的な理念,抱える問題点などについて述べる.
今回,平成16年より導入される新しいシステムは前期医師臨床研修のみであり,卒後2年間のいわゆる前期研修を対象としたものである.基本的には,複数の診療科を研修し,プライマリーケアをゴールにおいた研修制度を必修化することが骨子であるが,卒前教育ならびに後期臨床研修との整合性をどのように図るかも同時に検討すべき問題と考えられる.
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