Japanese
English
特集 脊髄損傷―最近の話題
ベンチレータ依存型四肢麻痺の問題点
Problem of quadriplegia depended on ventilator.
笠井 史人
1
,
依田 光正
1
,
高崎 幸雄
1
,
水間 正澄
1
Fumihito Kasai
1
,
Mitsumasa Yoda
1
,
Yukio Takasaki
1
,
Masazumi Mizuma
1
1昭和大学リハビリテーション医学診療科
1Department of Rehabilitation Medicine, Showa University School of Medicine
キーワード:
高位頸髄損傷
,
ベンチレータ
,
ウィーニング
,
在宅人工呼吸療法
Keyword:
高位頸髄損傷
,
ベンチレータ
,
ウィーニング
,
在宅人工呼吸療法
pp.219-224
発行日 2002年3月10日
Published Date 2002/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109709
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わが国におけるベンチレータ依存型四肢麻痺者の現状
JVUN(日本ベンチレータ使用者ネットワーク)は,「人工呼吸器の目的は換気であり,ガス交換自体は使用者が行っているので,respiratorよりもventilatorと呼ぶのが妥当」と主張している.確かに“呼吸器”には生命維持装置のイメージが濃く,“換気器”のほうが優しく感じられる.本稿では人工呼吸器ではなく,ベンチレータと呼ぶことにする.
約20年前の頸髄損傷発生数は胸腰髄損傷より少なかったとされるが,現代では全脊髄損傷(以下,脊損)者の75%は頸髄損傷であるという1).Whiteneckらは,医療の進歩に合わせ脊損者は対麻痺から四肢麻痺の時代に変遷し,1980年代以降は救命救急医療の普及と医療技術の開発により高位頸髄損傷の時代に突入したと表現している2).救命救急施設の整備が進んでいるわが国ではベンチレータ依存型四肢麻痺者の発生数も増加傾向にあることが推測される.
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