Japanese
English
講座 骨粗鬆症
1.骨粗鬆症とは
Osteoporosis; definition and pathophysiology.
細井 孝之
1
Takayuki Hosoi
1
1東京都老人医療センター内分泌科
1Endocrinology Section, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
キーワード:
概念
,
定義
,
疫学
,
成因
,
危険因子(環境因子,ライフスタイル,遺伝的素因)
Keyword:
概念
,
定義
,
疫学
,
成因
,
危険因子(環境因子,ライフスタイル,遺伝的素因)
pp.47-52
発行日 2002年1月10日
Published Date 2002/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109665
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骨粗鬆症の概念と定義
骨粗鬆症は骨量の減少によって骨の力学的強度が低下し,易折性が増加した状態と定義される1).骨量減少をきたす疾患は骨粗鬆症以外にも多数あり,大きく骨粗鬆症とそれ以外の疾患とに分けることができる(図1).骨粗鬆症自体も原発性と続発性とに分類され,続発性骨粗鬆症の原因疾患は多岐にわたる.骨粗鬆症以外の疾患で骨量減少をきたす疾患には骨軟化症,副甲状腺機能亢進症,悪性腫瘍の骨転移,さらには多発性骨髄腫などが含まれる.このため,骨量減少を認める患者,さらには脆弱性骨折をきたした患者の診断においては鑑別診断が重要である.これらのなかで原発性骨粗鬆症の発生頻度が最も高く,その主たるものは,中高年に発症する退行期骨粗鬆症である.
骨粗鬆症における骨量の減少は骨リモデリングのアンカップリング,つまり骨吸収が骨形成を上回ることが病態の根本にあると考えられ,骨基質とそれに沈着する骨塩の比率が変化しないことが特徴である.一方,骨軟化症においては骨塩の減少がより顕著になっている.
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