特集 肝硬変 ―病態と診断の最新知見
2.疫学・予後(1)肝硬変の病態・疫学 ―近年の傾向や移行期医療としてのFALDも含めて
西川 浩樹
1
,
金 秀基
2
,
朝井 章
1
1大阪医科薬科大学第2内科
2神戸朝日病院内科
キーワード:
肝硬変
,
病態
,
疫学
,
成因
,
FALD
Keyword:
肝硬変
,
病態
,
疫学
,
成因
,
FALD
pp.729-736
発行日 2025年6月20日
Published Date 2025/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003496
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肝硬変は持続する慢性炎症と肝細胞障害の結果であり,肝全体に線維化と線維化に伴う結節形成が解剖学的に認められる状態と定義される.本邦における肝硬変患者数に関しては,ウイルス性肝硬変症例数からの推定により30万人程度と概算され,肝硬変による死亡者数は年間8,000~9,000人とされている.日本肝臓学会からの公表データでは,肝硬変の成因が以前はHCVが1位であったにもかかわらず,近年ではアルコール性がHCVを抜いて1位となり,大きなパラダイムシフトが起きている.また代謝疾患関連の肝硬変が大きくクローズアップされ,移行期医療としてのフォンタン術後の肝病態も注目されている.本稿では,肝硬変の病態・疫学を中心に,さまざまな成因からなる肝硬変について概説する.

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