Japanese
English
症例報告
劇症型A群溶血性連鎖球菌感染症による両股離断例のリハビリテーション経験
A case of bilateral hip disarticulation caused with toxic shock like syndrome.
冨田 祐司
1
,
宮野 佐年
1
,
大橋 正洋
2
,
下田 宏登
2
,
黒木 教子
2
,
高橋 茂
2
,
田枝 督教
3
,
井上 貴昭
3
Yasushi Tomita
1
,
Satoshi Miyano
1
,
Masahiro Ohashi
2
,
Hiroto Shimoda
2
,
Noriko Kuroki
2
,
Shigeru Takahashi
2
,
Yoshinori Taeda
3
,
Takaaki Inoue
3
1東京慈恵会医科大学リハビリテーション科
2神奈川リハビリテーション病院
3国立水戸病院外科
1Department of Rehabilitation Medicine, Jikei University School of Medicine
2Kanagawa Rehabilitation Hospital
3Department of Surgery, Mito National Hospital
キーワード:
劇症型A群溶血性連鎖球菌感染症(TSLS)
,
両股離断
,
両股義足歩行
Keyword:
劇症型A群溶血性連鎖球菌感染症(TSLS)
,
両股離断
,
両股義足歩行
pp.949-953
発行日 2001年10月10日
Published Date 2001/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109603
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はじめに
劇症型A群溶血性連鎖球菌感染症1)は,toxic shock like syndrome(TSLS)とも呼ばれ,1980年代より欧米において多発し,本邦では1993年に初めて報告された.電撃的に細菌性ショックから多臓器不全となり,壊死性筋炎,軟部組織壊死を高率に合併する.厚生省研究班の調査によれば1995年3月までの死亡率は43.5%であり,救命のため患肢切断に至る例も多い.一方,両股離断は下肢切断では非常に稀2)であり,そのリハビリテーションについての報告も少ない.
今回われわれは,劇症型A群溶血性連鎖球菌感染症による両下肢壊死により両股離断となったが,ADL自立および義足歩行が可能となり自宅復帰した症例を経験したので報告する.
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