Japanese
English
特集 Peripheral neuropathy:診療と研究の最近の進歩
Critical illness polyneuropathyの現況
Recent advances in the study of critical illness polyneuropathy
廣瀬 源二郎
1
Genjiro Hirose
1
1金沢医科大学神経内科
1Department of Neurology, Ka-nazawa Medical University
キーワード:
critical ill patients
,
救急重症患者
,
primary axonal degeneration
,
一次性軸索変性
,
sepsis
,
敗血症
,
inflammatory cytokines
,
炎症性サイトカイン
Keyword:
critical ill patients
,
救急重症患者
,
primary axonal degeneration
,
一次性軸索変性
,
sepsis
,
敗血症
,
inflammatory cytokines
,
炎症性サイトカイン
pp.618-624
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431100344
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Critical illness polyneuropathyは1980年代初期から,特に救急医学部門で注目されるようになった末梢神経疾患である。本症は敗血症・多臓器不全でICU管理が必要となった患者にみられる末梢優位の運動性ポリニューロパチーで,顔面筋は通常障害されず,腱反射の低下・消失,四肢末端の触覚,温痛覚の障害もみられる。電気生理学的,病理学的検索では,一次性軸索変性が認められる。病因としては敗血症・多臓器不全に伴うサイトカインやフリーラジカルの発現による臓器の微小循環の障害,特に末梢神経系の神経栄養血管の障害により,血管内皮の腫脹,透過性の亢進に伴う低酸素状態が軸索変性を起こすと考えられている。患者は呼吸筋麻痺のため長期のレスピレーター管理を必要とするが,原疾患である敗血症が治癒すれば,数カ月の経過で回復する疾患である。ICU管理患者の四肢の脱力では,本症をまず考慮すべきである。
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