Japanese
English
症例報告
球麻痺により発症した上位頚椎奇形の1治験例
Combined Anomalies of the Upper Cervical Spine which Initially Manifested itself as Bulbar Palsy : A Case Report
岩波 明生
1
,
丸岩 博文
1
,
西澤 隆
1
,
松本 守雄
1
,
千葉 一裕
1
,
藤村 祥一
1
,
戸山 芳昭
1
Akio Iwanami
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University, School of Medicine
キーワード:
upper cervical anomaly
,
上位頚椎奇形
,
Arnold-Chiari malformation
,
Arnold-Chiari奇形
,
bulbar palsy
,
球麻痺
Keyword:
upper cervical anomaly
,
上位頚椎奇形
,
Arnold-Chiari malformation
,
Arnold-Chiari奇形
,
bulbar palsy
,
球麻痺
pp.169-173
発行日 2002年2月25日
Published Date 2002/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903479
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抄録:球麻痺により発症した上位頚椎奇形の1症例を経験した.症例:42歳男性.嗄声,嚥下困難,歩行障害を主訴とした.神経学的には下顎反射の低下,嚥下障害,嗄声がみられ,筋力低下や明らかな知覚障害はないが,深部腱反射は両側ともに亢進し,病的反射も認めた.単純X線,CTにて頭蓋底陥入症,環椎後頭骨癒合症,不安定性のある環軸椎亜脱臼を認め,後頭骨の非薄化を認めた.MRIではArnold-Chiari奇形type1を認めた.CTMでは延髄は下垂した小脳扁桃により後方から,さらに歯突起により前方から圧迫を受けていた.本症例では,環椎後頭骨癒合のために環軸椎間にwiringが不可能であり,また後頭骨の非薄化と大後頭孔開放によりinstrumentとの固定性が不十分であるため,Magerl+Newmann法を選択し,良好な整復固定と神経症状の改善を得た.上位頚椎奇形に対する手術的治療では重複病変に応じた手術方法の選択が重要である.
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