Japanese
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特集 リハビリテーションにおけるインフォームド・コンセント
インフォームド・コンセントの歴史とその概念
A history and concept of informed consent.
森岡 恭彦
1
Yasuhiko Morioka
1
1日本赤十字社医療センター
1Japanese Red Cross Medical Center
キーワード:
パターナリズム
,
患者の自己決定権
,
医療訴訟
,
医師と患者との信頼関係
Keyword:
パターナリズム
,
患者の自己決定権
,
医療訴訟
,
医師と患者との信頼関係
pp.417-421
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109486
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20世紀後半に起こった医の倫理の変革―パターナリズムの医療からインフォームドコンセント(informed consent)の医療へ
医の倫理と言うと,西洋では古代ギリシアの医聖とされるヒポクラテスの考えが広く認められ,特にヒポクラテス学派(ギルド)に入会する際の誓詞が有名で,西洋では20世紀半ば頃までは医学部の卒業式でこれが卒業生により朗読されていたとされる.ヒポクラテスは,その他,医師の守るべきことについていろいろのことを述べており,例えば「救護のあいだ患者は多くのことに気付くことがないようにする.……これから起こる事態や現在ある状況は何一つ明かしてはならない……」,「素人には,いついかなるときも何事につけても決して決定権を与えてはならない……」としている.ヒポクラテスの考えは病気のことについて患者にいろいろのことを知らせると患者のほうは心配するだけであり,結局は医療については専門家である医師に任せるのが患者のためだというわけである.また,その代わりに医療を任された医師は身を正し,患者の利益のために力の限り努力するべきであるとするもので,この考えは中世のキリスト教社会での博愛の精神に受け継がれ,西洋における医の倫理として広く容認されてきた1).
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