特集 癌の外科治療とインフォームド・コンセント(IC)
インフォームド・コンセントの歴史的必然性
武藤 輝一
1
1新潟大学
pp.1085-1087
発行日 1994年9月20日
Published Date 1994/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901618
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はじめに
癌の外科治療におけるインフォームド・コンセント(informed consent;IC)といっても,非癌性疾患の外科治療や一般の内科治療におけるICと根本的に異なるものではない.しかし癌治療においては,癌の告知も自ずからICのなかに含まれており,さらに拡大根治手術,強力な癌化学療法や放射線治療が生体にきわめて大きな侵襲となるため,ICも複雑な要素を抱えていることになる.一方,国内ではICについて「説明と同意」1)という分かりやすい言葉が用いられているが,実際には医師が分かりやすく説明し,患者が医師の説明したことを十分に理解,納得し,診療(診断と治療を含めて)に同意すること2)にほかならない.ICをこのような意味に考えて,過去の経緯をふり返ってみたい.
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