頸部回旋による食道入口部静止圧の変化

A Manometric Analysis of Upper Esophageal Sphincter during the Head Rotation Maneuver.

はじめに

　頸部回旋は嚥下障害の臨床で有用とされている．効果としては，食塊通過促進^1，2)，誤嚥防止³⁾，咽頭残留除去⁴⁾などがある．メカニズムは，健常者に対する研究から，咽頭の形態的変化と食道入口部の圧変化の関与が示唆されている^1，2，5)．今回われわれは，食道入口部静止圧の頸部回旋による変化を，健常者，仮性球麻痺患者，球麻痺患者について測定し，興味ある知見を得たので報告する．