Japanese
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初心者講座 食道検査法・6
食道入口部のX線診断
How to Diagnose Esophageal Diseases
山本 勇
1
,
小林 茂雄
1
,
平田 貴
1
,
有賀 明子
1
,
小谷 庸一
1
,
川名 正直
1
Isamu Yamamoto
1
1帝京大学市原病院放射線科
pp.697-702
発行日 1988年6月25日
Published Date 1988/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108232
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はじめに
今回の講座の意図は,食道癌の早期発見方法の総まとめだが,X線検査法に限って言えば,粘膜内癌(ep癌)のような極めて初期の癌の発見にはほとんど役に立たず,ルゴール染色法を併用した内視鏡検査法に大きく水を開けられているのが現状である.粘膜固有層に止まる癌(mm癌)になれば,X線検査法でもかなりの高率で拾い上げ診断が可能となることは報告した1)が,これもX線検査が先行した症例の検討であり,もし内視鏡検査が先行していたら,おそらく100%が診断可能だろう.X線診断医の一縷の望みは,上部消化管のルーチン検査として今なおバリウム造影が数多く施行されていることであり,この大きな母集団の中から食道早期癌を確実に見つけられる検査体系を確立できれば生き延びるチャンスはある.
ルーチンの食道検査法は胃内を発泡錠で拡張させた後,立位でバリウムを飲ませて撮影する.撮影方向は椎体と重ならないような斜位が多いが,その角度や撮影枚数などは特に決まっているわけではない.微細病変の診断には二重造影像が不可欠だが,食道全長を確実に撮れる頻度は低く,下部食道のバリウムの中に埋もれた病巣は,常に見逃される危険を孕んでいる.経鼻チューブを全例に挿入すれば二重造影像は必ず撮れるが,ルーチン検査でそこまでできるかという問題があり,これも解決策は見つかっていない.
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