Japanese
English
研究と報告
嚥下障害者の嚥下圧測定
Pharyngeal Manometry of Dysphagia in Patients with Stroke.
柴本 勇
1
,
藤島 一郎
1
,
大熊 るり
1
,
小島 千枝子
1
,
北條 京子
1
,
田中 里美
1
Isamu Shibamoto
1
,
Ichiro Fujishima
1
,
Ruri Ohkuma
1
,
Chieko Kojima
1
,
Kyoko Hojo
1
,
Satomi Tanaka
1
1聖隷三方原病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Seirei Mikatabara General Hospital
キーワード:
嚥下障害
,
仮性球麻痺
,
球麻痺
,
嚥下圧測定
,
咽頭ピーク嚥下圧
Keyword:
嚥下障害
,
仮性球麻痺
,
球麻痺
,
嚥下圧測定
,
咽頭ピーク嚥下圧
pp.965-971
発行日 1998年10月10日
Published Date 1998/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108779
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はじめに
嚥下圧測定は,咽頭や食道における内圧測定を行うもので,静止圧,収縮力,収縮時間などを知ることができる.臨床的には,咽頭や食道における食塊の推進力を定量的に評価することができると同時に,上部および下部食道括約筋の弛緩不全や閉鎖不全の評価などに有用とされている1-4).
嚥下障害の評価における嚥下圧測定は,ビデオX線透視検査(videofluoroscopic examination of swallowing;以下,VF検査)や筋電図などでは得ることのできない筋力の低下や筋トーヌスの異常,収縮のタイミングの異常によって生ずる嚥下動態の異常を圧の観点から評価できる点で有用性の高い検査である.しかし,機器が高価なこと,手順が煩雑なこと,臨床での有用性が知られていないことなどから,一般の臨床で広く普及するには至っていない.
嚥下圧測定が一般の臨床で行われていない現状では,障害によってどの程度嚥下圧が低下するか不明である.特に,リハビリテーションで扱うことの多い脳卒中後の嚥下障害者における嚥下圧のデータは乏しい.
今回,筆者らは,Synetics Medical社の消化管内圧測定装置を用いて,脳卒中後の嚥下障害者に嚥下圧測定を試みたので報告する.
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