巻頭言
変革期に立つリハビリテーション医学
安藤 徳彦
1
1横浜市立大学リハビリテーション科
pp.1097
発行日 2000年12月10日
Published Date 2000/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109366
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医療制度の改革が謳われて久しい.医薬分業,医学教育の改革,DRG・PPSの試行,介護保険制度など,次々と改革の準備の布石は打たれていた.未曾有の高齢化社会を控えて医療費の高騰化を防ぎ,財源の公平な分担,医療の質の確保が改革の目的と言われた.
それに対し,国民総生産に対する医療・福祉費用は先進国中で最低であるのに医療費をさらに削減するのは反対だという,当事者からの批判も出てはいた.しかし,国民の大部分は無関心で,マスコミは改革側に回った.医療機関と大学の不祥事のニュースが相次ぎ,国民の医療全体に対する不信感が大きいことも,当事者の反対意見を通りにくいものにした.不気味だったのは通産省を含む産業界からのキャンペーンだった.だが,理由も定かでないうちに実施は先送りになったようである.
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