座談会
医療制度の大変革期における整形外科
菊地 臣一
1,2
,
米延 策雄
3
,
松下 隆
4,5
,
新井 貞男
6
,
平泉 裕
7
1福島県立医科大学
2ふくしま国際医療科学センター
3大阪行岡医療大学
4福島県立医科大学外傷学講座
5脳神経疾患研究所総合南東北病院外傷センター
6あらい整形外科
7昭和大学医学部整形外科学
pp.467-474
発行日 2017年5月25日
Published Date 2017/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200820
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■新専門医制度の発足がもたらすもの:総合診療科との競合
菊地 第三者認定となる新しい専門医制度が延期となりました(2017年3月時点)が,これからの日本の医療制度の根幹を左右する大きな問題になることは間違いありません.
基本19科に総合診療科が加わり,主な整形外科診療手技が総合診療科のカリキュラムにすべて入っています.いま2万人いる整形外科医の今後は,総合診療科を意識することとなり,5年後,10年後の整形外科外来のあり方が気になります.
新井 かかりつけ医の多くは内科医,総合診療医ですが,彼らはプライマリ・ケアの場合,腰痛・膝痛などの痛みが主訴であれば湿布,NSAIDsを処方します.既に骨粗鬆症薬の処方は整形外科よりも多い状況です.これからますます,整形外科と総合診療科との境があいまいになり,患者が分散すると想像されます.しかし,運動器を考えての治療でないためセカンダリ・レベルでは,診断・治療困難例,外科的手術が必要な例が生じることになり,整形外科を受診することになるだろうと思います.
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