「ボーイズ・ドント・クライ」―性同一性障害者の叫びを聞け

　肉体の性と精神の性が一致していない状態のことを性同一性障害と呼んでいるが，これは果たして障害カテゴリーの一つとして認知されているのだろうか．もしも認知されていないのだったら，折角“障害”と銘打っているのだからこの際障害カテゴリーの一つとして認知していってもいいのではないか．そんなことを「ボーイズ・ドント・クライ」（監督/キンバリー・ピアース）をみて思った．

　1993年，アメリカのど真ん中ともいえるネブラスカ州の片田舎で事件は起こった．実話である．