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Seishin Igaku Volume 47, Issue 2 （February 2005）

精神医学 47巻2号（2005年2月発行）

Japanese English

特集時代による精神疾患の病像変化

性同一性障害 Gender Identity Disorder 阿部輝夫 ¹ Teruo ABE ¹ ¹あべメンタルクリニック ¹Abe Mental Clinic キーワード： Gender identity disorder , Transsexualism , Family Census Register recognition of sex alteration after sex reassigment surgery Keyword: Gender identity disorder , Transsexualism , Family Census Register recognition of sex alteration after sex reassigment surgery pp.173-175

発行日 2005年2月15日 Published Date 2005/2/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100011

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受診者の急増

　2004年11月，インドで第1回アジアパシフィック性科学会(旧アジア性科学会)が開催された。4日間の内容でもジェンダー関連が占める割合は大きかった。印象に残ったのは，Milton Diamond(ハワイ)やRichard Green(イギリス)が，口をそろえて同じことを言っていたことである。「性同一性障害は，自分で診断と治療法を選択できる，唯一の疾患だ」と。

　性同一性障害(gender identity disorder：以下，GIDと略)をめぐる医学的，社会的状況はここ数年で大きく変化した。図で見るように，外来統計を取り始めた1984年から1996年までの12年間は，GIDの自験総数は10例に過ぎなかったが，1997年から急増しているのがわかる^8）。特に2003年から2004年の1年間の新患数は，300例を超え，あべメンタルクリニックでは1日平均2例の初診があったことになる。