Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「オープン・ユア・アイズ」―障害を受容できなかった男の話
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.787
発行日 2000年8月10日
Published Date 2000/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109300
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本年5月号,隣の高橋正雄先生の連載で顔面損傷という言葉を見つけたとき,私の頭の中に顔面損傷物というカテゴリーがなかったことを恥じた.90年代に入ってからもメル・ギブソンが監督・主演した「顔のない天使」という秀作があったではないか.
ということで,1998年東京国際映画祭グランプリ受賞の「オープン・ユア・アイズ」(監督/アレハンドロ・アメナーバル).スペイン映画である.
スペインの障害者映画といえば,「ライブ・フレッシュ」(監督/ペドロ・アルモドバル)がある.車椅子バスケットボールの選手として国民的なヒーローであるが性の歓びを妻に与えられない男がいて,その妻を寝取るのが主人公で,どうも前者の閉塞状態をフランコ独裁政権(1892~1975),後者の肉体の謳歌を自由化スペインになぞらえているフシがあり,障害を肯定的に取り込もうとする昨今の流れとは無関係に存在している作品世界として印象的であった.
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