Japanese
English
短報
各種随意運動に伴う遠隔筋脊髄運動ニューロンの変化について
Modulation of Spinal Motoneuronal Excitabilities of the Soleus Muscle during Voluntary Movements.
伊藤 直子
1
,
林 明人
1
Naoko Ito
1
,
Akito Hayashi
1
1筑波大学臨床医学系神経内科
1Department of Neurology, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
キーワード:
遠隔促通効果
,
H反射
,
Jendrassik手技
Keyword:
遠隔促通効果
,
H反射
,
Jendrassik手技
pp.671-674
発行日 2000年7月10日
Published Date 2000/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109274
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はじめに
両手を鉤形に互いにして組み合わせ反対方向に引くような上肢の運動を行うと(Jendrassik手技),下肢の腱反射は増強される1,2),この増強効果は腱反射に限らず,H反射に対しても認められる.このことは,主動筋とは協同筋や拮抗筋という関係にない遠く離れて位置するという意味での遠隔筋を支配する脊髄運動ニューロンに対して遠隔促通効果という神経機序の存在を示唆するものである.H反射は筋紡錐に由来するIa群線維の直接電気刺激により誘発される単シナプス性反射であり,脊髄運動ニューロンの興奮性を測る指標としてH反射を用いることができる3,4).
本研究では,H反射を指標として,ヒトにおいて各種随意運動により遠隔にある下肢筋(ヒラメ筋)の脊髄運動ニューロンの興奮性の変化について調べることを目的とした.また,下肢筋の随意運動に対する影響も調べることで,運動やリハビリテーションを行う際の基礎的な理解に役立つものと考えられる.
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