脳血管障害 True or False
ADLの自立度は男性より女性のほうが高い?
青木 百合子
1
1横浜市脳血管医療センターリハビリテーション科
pp.493-495
発行日 2000年5月10日
Published Date 2000/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109237
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脳血管障害のリハビリテーションにおいては,高齢者が患者の大半を占めることもあり,他の障害に増してActivities of Daily Living(ADL)の自立度は在宅生活の可否をも左右する最重要事項であるといってもよい.したがって,ADLの自立度に関連した研究は国内外ともに数多いが,性差がADLの自立度に与える影響を調べた論文は意外に少ない.Index Medicusで'90~'99の論文についてADL and genderとrequestしたところ,得られた63件の抄録のうち,明らかにADLと性差について論じたものは6件であり,さらに今回のテーマ,すなわち,脳血管障害患者のADLの自立度が性差による影響を受けるか否か,について調査したものはわずか3件であった(表).結論もまちまちであるが,3件中2件が,女性は機能障害自体が男性より重度となり易いため,能力障害であるADLも男性より低くなるのであろうと結論しているのは興味深い.いずれにしても,この問題に関しては十分に研究されているとは言えないようである.
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