リハビリテーション関連資料
脳性麻痺の動向
鈴木 恒彦
1
1ボバース記念病院
pp.979-981
発行日 1999年10月10日
Published Date 1999/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109085
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周知のように,脳性麻痺(以下,CP)は,受胎以降の胎児発達脳に生じた傷害や周産期の分娩障害による新生児の仮死,未熟児,黄疸がその主な病因とされ,今世紀初めには下肢の痙性麻痺を示すLittle氏病として整形外科疾患でもあった.一方,各国の母子衛生や医療状況によってその定義が異なるため,国際的比較のしにくい疾病(または症候群)でもある.
しかし,今世紀後半,とりわけ1980年代以降の脳科学や神経生理学に関する進歩は,CPを姿勢・運動障害を有する脳の発達障害症候群として位置付けた.これには,CPの神経発達障害の評価と治療を同時に実践するボバースセラピスト〔理学療法士(PT),作業療法士(OT),等〕を中心とした実証的思考が,CPの臨床像と脳神経科学の知識を関連づける重要な役割を果たした.
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