Japanese
English
講座 言語聴覚障害学―理論と臨床―
4.重度失語症患者の拡大・代替コミュニケーション
Augmentative and Alternative Communication for Persons with Severe Aphasia.
鶴田 薫
1
Kaoru Tsuruta
1
1東京都老人医療センター言語聴覚科
1Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
キーワード:
重度失語症患者
,
拡大・代替コミュニケーション(AAC)
,
訓練
,
残存能力
Keyword:
重度失語症患者
,
拡大・代替コミュニケーション(AAC)
,
訓練
,
残存能力
pp.937-942
発行日 1999年10月10日
Published Date 1999/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109076
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はじめに
重度失語症患者に対しどのような失語症リハビリテーションを行うかは,言語聴覚士(以下,ST)にとって簡単には解決できない問題であり続けてきた.わが国では,最近の人口の高齢化を背景に,失語症患者の高齢化,重度化が顕著であり,それに伴い患者をとりまく家族などの環境も大きく変化しつつある1).従来のような障害された言語機能の改善に焦点を絞った治療法では,種々の問題を抱えた重度失語症患者に十分に対応できないことは明らかである.そこで近年,言語,非言語の領域を問わず患者に残存するさまざまな能力を利用し,さらに環境にも働きかけるような包括的な治療法が試みられるようになってきた.
本稿では,重度失語症患者に対する実用的なコミュニケーションアプローチである,拡大・代替コミュニケーション(Augmentative and Alternative Communication)によるアプローチ(以下,AAC)を取り上げ解説する.
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