Japanese
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実践講座 整形外科疾患の評価
2.腰椎疾患
Evaluation of Patients with Lumbar Spinal Disorders.
千葉 一裕
1
,
戸山 芳昭
1
Kazuhiro Chiba
1
,
Yoshiaki Toyama
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
腰椎疾患
,
評価
,
日本整形外科学会腰痛治療成績判定基準
Keyword:
腰椎疾患
,
評価
,
日本整形外科学会腰痛治療成績判定基準
pp.943-950
発行日 1999年10月10日
Published Date 1999/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109077
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はじめに
整形外科疾患の評価は,1)適切な治療法やリハビリテーション処方選択のための評価と,2)特定の治療法の効果判定のための評価との2種類に分けて考える必要がある.
前者としては,まず疾患自体の診断,すなわち腰・下肢痛の原因,病態の把握が第一歩となり,問診,身体所見,画像所見など通常の手順を踏んだ整形外科的疾病診断が行われる.それに引き続き,機能障害(impairment),能力低下(disability),社会的不利(handicap)の評価を行い,個々の患者が持つ問題点を把握する.その際には,患者の心理的側面や労働災害,交通事故などの社会的側面にも注意を払う必要がある.こうして得られた情報を総合的に評価することで,その患者に対する最も適切な治療法やリハビリテーション処方を選択することが可能となる.
一方,後者の代表的なものに日本整形外科学会の腰痛治療成績判定基準(表1)1)や脊髄損傷に対するFrankelの分類(表2)2)があり,術前術後での患者の自他覚症状や日常生活動作(ADL),神経機能などの変化の客観的評価を目的として用いられる.
しかし,前述した1)と2)は必ずしも明確に区別できるものではなく,重複している部分もあるが,本稿では便宜上,それぞれにつき分けて概説する.
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