Japanese
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実践講座 最新の神経心理学的検査
1.実用コミュニケーション能力検査―CADL
Communication ADL Test: CADL.
佐藤 睦子
1
Mutsuko Sato
1
1(財)脳神経疾患研究所附属総合南東北病院神経心理学研究部門
1Department of Neuropsychology, Southern TOHOKU Research Institute for Neuroscience
キーワード:
実用コミュニケーション能力検査(CADL)
,
標準失語症検査(SLTA)
,
WAB失語症検査日本語版(WAB)
Keyword:
実用コミュニケーション能力検査(CADL)
,
標準失語症検査(SLTA)
,
WAB失語症検査日本語版(WAB)
pp.457-463
発行日 1999年5月10日
Published Date 1999/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108971
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はじめに
本来,言語行動は,その場の文脈を利用しながら言語能力(competence)をもとに言語運用(performance)されるものである.失語症検査で得点が低く,言語能力が制限されていると推定されるにもかかわらず,日常会話場面で予想以上にコミュニケーションが成立する患者が存在するのは,一般に失語症検査では,文脈を極力排除した形式で言語能力を評価するためと考えられる.
本邦では,失語症者の言語能力を検査する方法として,標準失語症検査(Standard Language Test of Aphasia;SLTA)1)やWAB失語症検査日本語版(Western Aphasia Battery;WAB日本語版)2)がよく用いられている.しかし,上述のように,検査場面と日常会話場面とで言語運用の解離が認められることも少なくない.そこで,より実用的な運用面を評価する検査として,実用コミュニケーション能力検査(Communication ADL Test;CADL3,4))が開発された.本稿では,SLTAとWABおよびCADLについて紹介し,併せて症例を提示したい.
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