スコープ
脳外傷に関するマスメディアの報道とその背景
大橋 正洋
1
1神奈川リハビリテーション病院
pp.897-898
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108764
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マスメディアの報道
重症脳外傷者では,救命されたあとの後遺障害が問題となる.後遺障害は,遷延性意識障害から外見上は後遺障害に気づかれないまま復学・復職できる場合まで多彩である.多くの脳外傷者は,交通事故や労災事故による若年の男性であるが,認知障害が残った場合は,実効的な援助が受けられないまま社会参加の機会を失い,無為に在宅生活を続けている場合が多い.この状況は脳外傷者の家族へ,長期に経済的,心理的負担を強いている.
わが国では,この問題への認識が不十分であったが,最近,マスメディアが脳外傷あるいは高次脳機能障害患者の問題を積極的に取り上げている.本稿では主なメディアの報道内容とその焦点を考察した.
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