Japanese
English
研究と報告
半側無視における2等分点決定の方略に関する検討
Strategies of Line Bisection Task in Patients with Unilateral Spatial Neglect.
杉本 諭
1
,
網本 和
1
,
能登 真一
1
,
二木 淑子
2
Satoshi Sugimoto
1
,
Kazu Amimoto
1
,
Shinichi Noto
1
,
Toshiko Futaki
2
1聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
2昭和大学医療短期大学作業療法学科
1Department of Rehabilitation Medicine, St. Marianna University School of Medicine Hospital
2Department of Occupational Therapy, Showa University College of Medical Sciences
キーワード:
半側無視
,
線分2等分課題
Keyword:
半側無視
,
線分2等分課題
pp.673-677
発行日 1998年7月10日
Published Date 1998/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108707
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はじめに
線分2等分課題は半側無視(Unilateral Spatial Neglect;USN)を検出するためのテストとして,臨床上,良く用いられている課題の1つである.これまでにUSNに対する線分2等分課題の報告は数多く見られるが1,3-6,10-12),そのほとんどは無視の重症度やタイプについて論じたものであり,どのように2等分点が決定されているのかは明らかではない.
USNの治療アプローチを考えていくためには,その重症度やタイプを知るだけでなく,与えられた課題がどのような方略によって行われるのかを分析することが重要であると考えられる.小山ら9)は,重度USN例に対して,異なる長さの線分2等分課題を行い,線分の長さに関係なく右端から同じ距離の所に2等分点をつけることから,「線分の右端を手がかりとして2等分している」と報告した.しかし,この研究は右端を揃えた3種類の長さの線分の検討のみであるため,線分の右端でなく,用紙の右端を手がかりにしても同様の結果を説明できると考えられる.
そこで,今回,われわれは,長さと呈示位置の双方を変化させた線分2等分課題を用い,2等分点決定に対する「線分の右端の手がかり」と「用紙の右端の手がかり」の影響について検討した.
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