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特集 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法
第10章 脊髄変性・炎症
HAM/TSPの診断指針—HTLV-1関連脊髄症(HAM)診療ガイドライン2019を踏まえて
Clinical Guideline of HAM/TSP
山野 嘉久
1
Yoshihisa YAMANO
1
1聖マリアンナ医科大学脳神経内科
1Department of Neurology, St. Marianna University School of Medicine
キーワード:
HTLV-1関連脊髄症
,
HAM
,
診療ガイドライン
,
clinical guideline
,
バイオマーカー
,
biomarker
Keyword:
HTLV-1関連脊髄症
,
HAM
,
診療ガイドライン
,
clinical guideline
,
バイオマーカー
,
biomarker
pp.498-503
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201404
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はじめに
HAM/TSP(HTLV-1関連脊髄症:HTLV-1 associated myelopathy/熱帯性痙性対麻痺:tropical spastic paraparesis)は,HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型:human T-cell leukemia virus type 1)感染者の一部に生じる神経難病である.本邦での患者数は約3,000人と推測されており,希少であるがゆえに症例の集積が困難で質の高いエビデンスに乏しく,新規治療薬開発やガイドライン作成の障壁となってきた.これらの問題を解決するため患者レジストリが構築され,そこから得られたリアルワールドデータをもとに,疾患活動性分類やそれに応じた層別化治療など,新たな診療アルゴリズムを策定し,2019年5月に世界初となる「HAM診療ガイドライン2019」2)が刊行された.本ガイドラインはHAMとHTLV-1に関連する現時点の知見の集大成で,いわば“HAMの教科書”といえる内容になっている.本稿ではその内容について概説する.
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