今月の主題 脳脊髄液
話題
HAMの診断と治療の進歩
松﨑 敏男
1
,
斉藤 峰輝
1
,
納 光弘
1
Toshio MATSUZAKI
1
,
Mineki SAITO
1
,
Mitsuhiro OSAME
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科神経病学講座神経内科・老年病学
キーワード:
HAM
,
診断
,
治療
,
HTLV-1プロウイルス量
Keyword:
HAM
,
診断
,
治療
,
HTLV-1プロウイルス量
pp.409-414
発行日 2005年4月15日
Published Date 2005/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100130
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1. はじめに
HTLV-1(human T lymphotropic virus type 1)は,主にCD4陽性Tリンパ球に感染するヒトレトロウイルスの一種である.HTLV-1-associated myelopathy(HAM)は,HTLV-1無症候性感染者(キャリアー)の一部から発症する慢性の膀胱直腸障害を伴う痙性脊髄麻痺であり,1986年に納,井形により新しい疾患単位として提唱された1)もので,後にカリブ海沿岸を中心に報告された熱帯性痙性脊髄麻痺(TSP)の一部と同一の疾患であることが確認された2).HAM発見後すでに19年が経過し,この間に臨床像3~5),発症病態6~8),治療9)について精力的に研究が進められた.本稿では,特にHAMの臨床診断,検査所見,治療指針について,自験例をもとに最近の知見を加えて述べる.
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