Japanese
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特集 慢性関節リウマチのリハビリテーション
スポーツ・レクリエーションの適応と効果
Indication and Effect of Sports-recreation for the Patient with Rheumatoid Arthritis.
岡本 連三
1
Renzo Okamoto
1
1横浜市立大学医学部整形外科
1Department of Orthopedics, Urafune Hospital of Yokohama City University
キーワード:
慢性関節リウマチ
,
人工膝関節置換術
,
人工股関節置換術
Keyword:
慢性関節リウマチ
,
人工膝関節置換術
,
人工股関節置換術
pp.631-636
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108421
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はじめに
慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)は,慢性の非特異的関節炎を主体に,腱鞘炎など運動器障害を生じる.運動能力の低下とともに筋力低下,関節局所の骨萎縮ばかりか,全身の廃用性骨萎縮に至る.これを防止するために薬物療法による関節炎の沈静化がまず必要であるが,同時に筋力増強訓練,関節可動域訓練,全身炎症や関節局所の炎症に適した運動療法が重要となる.基礎療法としてリウマチ体操を毎日行うことが必要である.関節炎が沈静化した状態では,さらに進んでスポーツ活動への参加の可能な症例が見られる.
近年は健康増進のためスポーツ関連の施設が公的にも私的にも作られ,体力増進に力が注がれている.これらの施設を利用して,RA患者にもスポーツへの参加の可能性の道が開かれつつある.スポーツと言っても一般人と同程度の強度のスポーツ参加を目指すことは困難であり,自ずとスポーツの種類も限られてくるが,疼痛性の関節機能障害を持ったRA患者に適したスポーツの選択も可能である.また,スポーツに参加しているという心理的な面への好影響もRA診療にとって有効と考えられる.
近年,RA患者はその症状に合わせて自からスポーツ・レクリエーションに積極的に参加しつつある.これはメトトレキサート(MTX)を含めて抗リウマチ薬が豊富となり,患者のリウマチ活動性が抑制されうる環境が生まれてきたことにもよる.また,抗リウマチ薬の使用法の改良も進んできたことにもよるようである1).
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