Japanese
English
研究と報告
脳梗塞による失語症に対する言語訓練の効果について―訓練例と非訓練例の比較検討
Effectiveness of Speech Therapy for Aphasic Patients due to Cerebral Infarction.
前島 伸一郎
1
,
土肥 信之
2
,
渡邊 佳弘
2
,
村瀬 幸恵
2
,
久納 佳子
2
,
中井 國雄
1
,
板倉 徹
1
,
駒井 則彦
1
Shinichiro Maeshima
1
,
Nobuyuki Dohi
2
,
Yoshihiro Watanabe
2
,
Yukie Murase
2
,
Yoshiko kuno
2
,
Kunio Nakai
1
,
Toru Itakura
1
,
Norihiko komai
1
1和歌山県立医科大学脳神経外科
2藤田保健衛生大学リハビリテーション医学教室
1Department of Neurological Surgery, Wakayama Medical College
2Department of Rehabilitation Medicine, Fujita Health University
キーワード:
脳梗塞
,
失語症
,
言語訓練
,
自然回復
Keyword:
脳梗塞
,
失語症
,
言語訓練
,
自然回復
pp.649-653
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108150
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はじめに
失語症の訓練効果に関する研究は,諸外国において散見するが一定した見解は得られていない.Vignolo1)やBassoら2),Wertzら3)のように,言語訓練の有用性を論ずるものが多いなかで,その有用性を否定する見解も少なからず報告されている4,5).最近では,本邦においても単一症例における訓練課題を比較する等の試みがなされており6,7),言語訓練の妥当性が言及されている.一方,これまで訓練例と非訓練例との比較研究はなされておらず,その有用性については確立されたとは言い難い.本研究では失語症の自然治癒と言語訓練効果の違いを明らかにするために,同一の施設において言語治療士(以下,STとする)による専門的な訓練を行った失語症例と,ST不在のためにやむなく言語訓練を受けることのできなかった失語症非訓練例との比較検討を行った.
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