Japanese
English
教育講座
失語症治療の現在地—脳機能画像とrTMS治療
Aphasia Treatment : Functional Brain Imaging and Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation
羽田 拓也
1
Takuya Hada
1
1東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
キーワード:
失語症
,
リハビリテーション治療
,
言語訓練
,
機能的MRI
,
rTMS
Keyword:
失語症
,
リハビリテーション治療
,
言語訓練
,
機能的MRI
,
rTMS
pp.848-851
発行日 2024年9月18日
Published Date 2024/9/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
失語症による言語コミュニケーションの障害は復学や復職を妨げる原因の1つであり,その治療法の確立はリハビリテーション医学が克服すべき重要な課題の1つである.脳卒中治療ガイドライン20211-3)では,亜急性期以降の失語症に対するリハビリテーション治療として,新たに反復性経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation:rTMS)が推奨されるに至った(推奨度C,エビデンスレベル低).さらに2023年の改訂4-6)では,健側大脳への低頻度rTMSが推奨度B,エビデンスレベル高の記載となった.
当講座では,脳の可塑性を高め,機能的再構築を促す7-9)治療としてrTMSに早期から着目し,研究および治療を開始してきた.2009年4月には脳卒中による失語症患者に対して,低頻度rTMSと言語聴覚士(speech language hearing therapist:ST)による集中的な言語訓練を併用した新たなリハビリテーション治療(NovEl Intervention Using Repetitive TMS and Intensive One to one training:NEURO®)を開始し,良好な治療成績をおさめている10).また,rTMS実施時には脳の言語機能部位の同定が重要であり11),機能的MRI(functional MRI:fMRI)を実施している.本稿ではわれわれの経験をもとに,失語症に対するrTMSを併用した,集中的リハビリテーション治療の理論と方法,今後の課題について述べる.

Copyright © 2024, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.