Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
手塚治虫の障害者観(第3報)―『きりひと讃歌』の占部医師
高橋 正雄
1
1筑波大学心身障害学系
pp.576
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108133
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手塚治虫の『きりひと讃歌』(小学館文庫)は,「モンモウ病」という原因不明の風土病の解明を中心とする物語であるが,そこには,一人の医師が精神分裂病を発病する場面があるため,手塚治虫の精神障害観を考えるうえでも注目に値する作品である.
占部医師は,この物語の主人公小山内医師の友人で,竜ケ浦内科を支える実力者の一人であった.だが,そんな彼が,竜ケ浦教授の日本医師会長をめぐる選挙活動の最中,分裂病を発病するのである.
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